松下生活研究所

2017.12.25 (月)

エココミューン山ノ神

物件概要

私の事務所がある木造の賃貸住宅「エコ・コミューン山ノ神」には6世帯が入居しています。畑もあり「現代版長屋」のような造りが特徴。きっかけは9年前、土地所有者の田上氏から「環境に配慮した小さなマチをつくりたい」と相談を持ち掛けられたことでした。  当時、コミュニティに興味があり、海外の「エコビレッジ」へ視察に出かけていました。エコビレッジとは、環境負荷の少ない暮らしにこだわった人々が集まったコミュニティのこと。当時、農的な暮らしをデザインする「パーマカルチャー」九州の代表として米作りなどを実践しており、この経験を新しいマチづくりに生かすことにしました。

 

 

 

 

重視したのは、入居者の理念の共有とつながりのある暮らし方です。「賃貸住宅なのに、まるで自分の家を建てるみたいに設計からかかわることができてうれしい」と当時、建築説明会に参加し入居した清水さんは話をしています。計画段階からワークショップの参加者を募り木材産地ツアーをはじめ、生ごみ堆肥のコンポストや米作りなどを実施。土壁塗りにも挑戦してもらい、自分の住まいを作るような共同体験をやってもらいました。そうした取り組みを通じて参加者同士のつながりも深まり、2010年4月の完成以来、食や環境にこだわりながら快適に暮らすコミュニティが形成されています。

 

 

 

 

「つながり」については、熊本地震でも、コミュニティの大切さが指摘され「孤立した1週間の共同生活が楽しかった」と、ある集落の区長さんが語られました。まさに「つながりのある社会」が実感されます。  人と人をつなぐのは、菜園や田んぼのお米作りの協働作業でも、持ち寄りの食事会でも良いし、一緒になって暮らしを愉しみ味わう場が大切です。

 

 

 

 

 

 

 

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